2023年から3年間、先天代謝異常学会セミナーの実行委員長を務めることになりました、千葉県こども病院の村山です。このセミナーは2005年からはじまり、今年で19回目になります。今回講師を務める先生の多くは、本セミナーのかつての参加者でもあります。こうして紡いできた本セミナー、昨年までの3年間は熊本大学の中村公俊先生が実行委員長を務められました。コロナ禍でオンライン中心の開催となりましたが、結果として参加者は大幅に増え、誰でもどこでも学ぶことができるWebならではのメリットを実感することができました。その一方で、直接話し合える機会が減り、物足りなさ、寂しさ、実感のなさ、も強く感じております。今年に入りようやくCOVID19の感染状況も落ち着きつつあります。昨年末頃から対面での学会や研究会が多く行われるようになってきています。
今年から3年間の本セミナーは、皆さんになるべく現地参加をお勧めしたいと思います。現地参加ならではの緊張感、集中できる環境、直接交流できるメリットを十分感じられればと思います。一方で、様々なご事情で現地参加が難しい方々もいらっしゃると思いますので、オンデマンド配信も続けて行いたいと思います。どちらも私たちは大歓迎です。
3年間のテーマは「先天代謝異常症、ベストプラクティスを目指して」です。その1年目である今年は「先天代謝異常症を疑ってみようじゃないか」としました。代謝性疾患は日常診療でふつうに遭遇する疾患です。キャリアに関係なく、しっかりと疑い、適切に診断し治療しなければなりません。このセミナーで、代謝性疾患の考え方の基本を身につけることによって、ベストプラクティスに近づけると思います。代謝マインド・代謝リテラシーを是非この機会に身につけてほしいと切に願います。
また例年、日本小児肝臓研究会と日程が重なり、どちらかしか出られない、といった声をよく聞きます。ご存知のように、高アンモニア血症、肝不全、肝移植など、小児肝疾患と先天代謝異常症は切っても切れない関係にあります。これらが重なってしまうのはもったいないと感じておりました。そこで今回、小児肝臓研究会に参加すれば、本セミナーのオンデマンド視聴を半額にしたいと思います。両方の機会で学びたいという、奇特なそこの貴方!是非この機会に両方学んでみてください。今年はこれまで取り上げなかった胆汁酸代謝異常症を本セミナーで取り上げます。
昨年は猛暑の夏でした。今年の夏はどうなるかわかりませんが、7月の15,16日に品川で、私たちは熱い気持ちで皆さんをお迎えしたいと思います。7月の品川で皆さんにお会いできることを楽しみにしております!